MEMORYS  2006年4月〜8月


8月19日(土)  はてしないその日その日を生き通して(「ワーニャ伯父さん」より)

  先月末あたりから、思いが日常を逸脱するような場ばかり続いている。
  それに記録破りの暑さや、ちょっとした個人の事情も重なり
  なにか、ボンヤリしてしまう。
  7月30日、8月15日に書いたことを含め、およそ以下のような具合だ。
  (小さなことも挙げれば、まだまだある)

  7月25日  「十勝植林記」出版に関連して、生まれた町・新得へ。
  7月27日  同じく出版に関連して、87歳の伯父夫妻を訪ねる。
  7月30日  大学の同窓会。重要な建物解体の話題。
  8月2日   祖母の思い出をたどりながら、庭のカリンズでジャムをつくる。
          ( 夏、お盆の頃のちいさな年中行事) 
  8月5日   中学校同窓会。参加できなかった多くの人の消息を知る。
  8月10日  娘の部活演奏会。この日のために黒のロングスカートをあつらえる。
          (おそらく生涯にこれ1着で、こと足りるはず)
  8月14日  1月に亡くなった古川さん宅を訪ねる。
  8月15日  墓参。そして、岩沢さん逝去。
  8月17日  伯父の7回忌法要。同日、北海道演劇財団10周年:記念公演とパーティ。
         演目は「北緯43°のワーニャ」(ワーニャ伯父さん)。創設時の想い出をスピーチ。
  8月19日  小樽あとりゑクレールへ薩摩琵琶を聞きに行く。演目は「耳なし芳一」。
  8月末   3月に亡くなった萬年さん宅を訪ねる予定。  

  悲しいことばかりではなく、懐かしい人に会えたり、心やすらぐ事柄も多いのだけれど
  なにかしら、ずっしりと来て、身動きが取れない。(見た目は普通にやっているつもり)
  何がきっかけで、ここからぬけだせるのかな。
  おそらく、日々の仕事や、生活の必要が、思いを吹き払ってゆくのだろう。
  淡々と、しっかり仕事をすること。まるで「ワーニャ伯父さん」の世界。


8月15日(火)  なつかしいひとたち

  岩沢健蔵さんが亡くなった。きょう、終戦記念日の午前10時すぎ。
  岩沢さんは「八軒物語〜すえ語り」の原作者、ここ3年あまり一緒に活動してきた仲間だ。
  家が近所で、レッドベリーにもしばしば足を運んでくれた。  
  昭和10年生まれ。5年来の癌で、2度の手術、抗がん剤の副作用と闘いながら、ともに飲み、語り、
     今年1月からは、三角山放送局の私の番組「かりんずたいむ」で、
  「岩沢健蔵の八軒散歩」というコーナーを担当していただいてきた。
  力のある声で、歴史や社会や映画や芸能について、独自の見識を打ち出す岩沢さんの話は
  どれも面白かった。岩沢さんはスタイリッシュでおしゃれだった。
  事務所の電話には、岩沢さんの留守録の声が残っているし、
  あちこちに岩沢さんに関わる資料や、メモや、企画があって
  岩沢さんが居ない、という事実は、いまだ実感できない。

  きょうは、家族と共にお墓参りに行った。
  その途中で、岩沢さんの訃報を受けた。

  昨日は、今年1月15日に亡くなった古川善盛さんのお宅へお参りに行ってきた。
  (今年1月19日の日記参照)
  古川さんは、詩人。お世話になった編集者。
  あとになって知ったので、お葬式にうかがえなかった。
  奥様から、なくなった時のことなどお話をうかがった。

  今月末には、今年3月26日に亡くなった萬年俊明さんのお宅へうかがうことになっている。
  (今年3月30日の日記参照)  
  萬年さんも「八軒物語」の仲間。病気をおして、岩沢さんの原作を脚本化し、演出してくれた。
  昨年3月の公演のあと、どんなふうに闘病し、どんな風に亡くなったのか、
  奥様からお話を聞くことにしている。

  来月は、忠海光朔さん(詩人、仔羊亭主人)の三回忌。
  
  向こうの世界では、忠海さんと古川さんが、
  そして萬年さんと岩沢さんが、にぎやかに再会を祝しているかしら。
  いや、今はお盆で、みんなこちらにきているのだから・・・。
  亡くなった人たちが、なんて懐かしいのだろう。
  ここ数年、旅立った人たちの名前を、ひとり、ひとり、たどってみる。
  盆踊りの騒音がやんで、外気がひさしぶりにひんやりしている。


7月30日(日)  ひと月分のご報告

  夏らしい週末になりましたね。
  先ほど、大通公園を通りかかると、ビアガーデンがとても賑わっていました。
  ああ、よかった。やはり、夏はちゃんと来てくれたんですね。

  1ヶ月のご無沙汰。みなさま、お変わりありませんか?
  
  きょうは、大学同窓会の支部会でランチしてきました。
  札幌は、知る人ぞ知る、すぐれたフレンチレストランの多い街だそうです。
  ミクニ、はJRタワーという場所柄もあって、行った事のある人が多い。
  ということで、今回は「ル・ジャンティオム」(中央区南4条西8丁目)。
  資生館小学校の、もう1丁西側、北向きのビルの1階。
  ちょっと見に目立たないつくりですが、不要なきらびやかさを廃した
  素敵なお店です。
  Gentihomme(ジャンティオム)は、英語ではGentleman。
  その名の通りダークスーツで決めた男性(何とお呼びしたらいいのかな?)が
  きっちりサービスしてくれました。
  ひとつひとつの料理の、味と美しさに満足。重量感のある鮮やかな食器の楽しみ。
  くつろいだ雰囲気も、シンプルな印象も、計算されたサービスのうちでしょうね。
     次回はディナーで、屈指と言われるワインを楽しみに訪れてみたいと思います。
  
  現在、レッドベリースタジオは、ちょっとした夏季休業中。
  冷房が無いので、演劇公演などは暑くてたいへん、
  ということを、みんな知っているので、7月後半〜8月前半は利用が少ないのです。
    
  でも7月は実に色々忙しく、面白かった。
  演劇公演あり、ジャズのコンサートあり、
  ピアノ移動のためのちょっとした拡幅工事あり、
  そして
  「ヌエニの村はビルマにあります〜郡司勲写真展」(7月13日〜18日)は
  レッドベリーではじめての写真展でした。
    郡司さんは、かれこれ30年近く前の知り合いです。
  彼は演劇会砂、劇団53荘の役者で、私は4プラ自由市場に勤めていた頃のことです。 
  それがつい先日、5月のはじめに大麻の路上でばったり出会って
  写真を撮っていることを知り、もう5回もビルマに通って、ぼう大なボリュームで
  撮り続けていることを知り、一部を見せてもらって、面白かったので
  どんどん話が進み、写真展を開催することになりました。
  写真の内容は、屋外での展示も似合うということで 
  スタジオ周辺の路上なども展示スペースとして使ってみたい
  という、年来の夢もかないました。
  6日間の期間中、晴れたのは2日。残りの4日は雨。
  それもカミナリやどしゃ降りの雨で、た〜いへん。
  それでも、プラスティックに焼きつけられた写真は、ビクともしないのだ。
  郡司さんの「ビルマ語り」にも、色んな人が集まってくださって
  いい展覧会になったと思う。懐かしい人たちも集まりました。
  なにより、郡司さんの写真を広く知ってもらうきっかけが出来たと思う。
  もうひとつ、すごかったのは、スタジオ内の展示の仕方。
  郡司さんは、テレビ局でスタジオ美術の仕事をしてきた人なので
  空間演出のプロ。レッドベリーの4.5メートルのタッパを、あんなふうに生かした展示は
  初めてでした。これは、見ていただかなければ分からないですね。

  今年初めて「カルチャーナイト2006」に参加した「古典の夕べ」(7月21日)。
  事務局から配布されたポスターを、スタジオ外壁にはりめぐらして夕方を待ちました。
  18:00、開演の1時間前から、ポツリ、ポツリと、夏の宵を楽しむ風情のお客さまが
  集まっていらして、たちまち会場はいっぱい。
  椅子が足りなくて、箱脚や木箱を持ち出してイスがわりに使用。
  50名を越える満員御礼となりました。
  平家物語「敦盛」の琵琶語りと、源氏物語「葵」の現代京ことば朗読。
  演目のためか、50代以上のお客さまがほとんどで
  初めてレッドベリーにいらしてくださった方が多かったと思う。
  これは、カルチャーナイト効果、かもしれません。
  マイクの調子が悪くて急遽、飛んできてくれたコンカリの橋本さん。
  飲み物の販売や撤去を手伝ってくれた学院大・演劇とアートマネジメントOBのふたり。
  ありがとうございました。

  母が書きためた祖父の思い出、それに祖父の遺稿や、
  伯父・叔母の寄稿を盛り込んで本を作りました。
  「十勝植林記〜父・仲田市太郎の想い出」です。
  奥付の発行日は6月8日(祖父の命日)ですが、実際に出来上がったのは6月23日。
  以来、親戚や身近な方々に少しずつ寄贈、お頒けしてきました。
  そして先日、祖父母が新天地として選び、母たち兄弟が生まれ育った町・新得へ
  行ってきました。実は私も、この町で生まれました。
  
  新得には現在、親族は誰も住んでいませんが、
  町図書館の菊地さんのご紹介で
  祖父の植林事業についてご記憶くださる金村さんにお目にかかって、
  貴重なお話をうかがいました。
  祖父が自分の苗圃で育てた苗木を寄贈し、
  それを青年会などが率先して植えてくださったという
  カラマツの大木が、新得小学校に残っていました。
  樹齢70数年でしょうか。両手で抱えきれない太さです。
  また、祖父が寄贈した新得小学校林地を示す石碑(町が建立)があり
  祖父の言葉が刻まれています。
  古くから駅前で営業を続けて居られる相馬商店さんでは、
  本を平積みにして販売してくださっています。
  町長様、教育長様、小学校長様、石碑建立時の町長様、
  そして母の古い友人信子さんが居られるお寺もおたずねすることが出来ました。
  十勝毎日新聞、北海道新聞(道東版)にも、記事を掲載していただきました。
  
  この本のおかげで、新得の町の方々と、顔の見える形でご縁が出来たことが
  私にとって何よりうれしいことです。
  また、日頃なかなか会う機会のない伯父、叔母を訪ねる機会ができたことも
  深く心に残ることでした。
  
  母にとっての一大事業がようやく形になりましたが
  早速、祖父についての新しい情報や、訂正が必要な箇所などが出てきました。
  これらを集めた冊子を、あまり時間が経たないうちに出そうと計画中。
  題して「落穂つれづれ〜十勝植林記・補遺」

  次へ向うこと・・・。それが新しい元気の源。
  このかん、私のなかでも、いくつかの新しい企画が育っています。
  さあ、足場を固めて、次へ向いましょうか。  


6月27日(火)  アヒルの水かき

  ここに書きたいことが多々あるのだけれど
  それより先にしなければならないことが山積みで・・・。
  HPのあちこち、特にトップページのTOPICSや
  スケジュール欄は、しばしば更新しているので
  これを消息としてご覧ください。

  諸々の活動を実現するについては、
  絶え間ないアヒルの水かきをして、ようやくここにたどり着いております。
  赤い実企画の活動に、いくぶんの新味が加わったと思うのですが
  いかがでしょうか?
  
  そのほか、PTAや同窓会など、プライベートに属する活動でも
  仕事と同じような企画、コーディネート作業が山積し
  少々オーバーワークでございます。
  もうひと月以上巣食っている風邪よ、そろそろ退散せよ。 

  それにしても昨今の気候、何とかならないのかしら。
  きょうも雨。
  晴れわたった午後に、のんびり日光浴をしたいよぉ〜。  


6月14日(水)  夏至近し

  すずめが戻ってきました。
  以前(4月8日)書いたように、すずめが一切居ないという状態が
  数ヶ月続きました。
  今月に入って、つがいが一組やってきて、
  それ以来、元気なさえずりが聞けるようになりました。  
  一方、カラスが居なくなりました。
  生ゴミ収集の日には、20羽近くがたむろして、近寄るのが怖いほどだったのに
  昨日も一羽も居ませんでした。
  たまに飛ぶ姿を見ることはありますが・・・。
  JR琴似駅前に建った40階建てマンションの影響じゃないかな。
  あの建物の周りはいつも、ものすごいビル風が吹いている。
  上空の状態だって、きっと変ったに違いない。
  
  視界の左端に、いつも小さな黒点がある。視線を動かすと、一緒に動く。
  飛蚊症(ひぶんしょう)というものらしい。
  最初、目のまわりを小虫が飛んでいると思った。
  手で払うのだけれど、はらってもはらっても居なくならない。
  とても霧の深い朝、40階建てマンションの上半分が
  すっかり隠れているような状態だったのだけれど、
  空を見上げると、左目のすみに、はっきりと黒い点がある。
  点のほかに、糸くずのようなものも見える。
  おまけに視界全体が、汚れたガラスのように曇っている。
  あら、いやだな、と思ったが、特に支障はないので放置。
  困るのは、というか、面白いのは
  何かのかげんでこの黒点がくっきりと見える瞬間があるらしく、
  左側に、ひょいとかすかな、動く気配を感じることがある。
  一瞬、「何か、居る!」と思う。でも違うのだ。
  で、せっかくなら、これからいつも一緒に居るわけだし
  この飛蚊症の黒点に名前を付けようかと思う。
  「ブンブン」とか、「ブンちゃん」とか?(宮崎アニメの「まっくろくろすけ」みたいにね)
  で、気配を感じたら「あら、ブンちゃん、あんただったの?」とか言っちゃって。
  すみません、ヘンな話でした。

  さて、と、気を取り直して、
  レッドベリースタジオは、このところ立て続けに演劇公演が入っています。
  5月末に演劇集合体マキニウム。(ラク日の公演を見ようと思っていたのに、
  熱で寝込んで見られず、残念)
  6月はじめ、gahももせさんが芸達者を集めたユニット公演「ちびくろさんぼ」は
  レッドベリーの空間を新しいイメージで使って美しく、いい感じ。
  そして昨日から棚田さんの怪獣無法地帯が仕込み中。
  
  10日土曜日には、二胡とピアノのコンサート。
  真穂さんの二胡も、向山千晴さんのピアノも素敵だったし、
  今回も近隣の方々が誘い合わせて来てくださったことが本当に嬉しい。
  また今回初めて「ふくやホテル」さんにコーヒーのケータリングをお願いした。
  ポットで届いた香り高いコーヒーは、午後のコンサートにしっくり。
  少しずつ、レッドベリーなりのスタイルが出来つつある。

  11日、TPSの「夕鶴」を見た。トリプルキャストのうち、一番若いグループ。
  教科書でもおなじみの聞きなれたセリフが、
  生き生きとした人間のことばになっていて楽しかった。
  「つう」が鶴にもどって去ってゆく心情が、ちょっと食いたりなかったけどね。


5月25日(木)  仕事いちだんらく、人生いちだんらく。

  きょうは丸一日、そうじをしていました。
  あっち、こっち、気になるところ。
  気持ちのいいお天気で、最高にHAPPYでした。
  つまり、それができる時間、というか、ゆとりが
  とても久しぶりに、あった、ということなのでしょう。
  で、夕方、シャワーを浴びてビールをあけたら
  これまた最高でした。   

  3週間あまりをさかのぼってご報告。

  昨24日(水)、祖父の生涯について母が書きつづった本の
  最終校正を印刷屋さんに渡した。
  昨年11月から半年あまりの編集作業も、ようやくここに到達。
  来週、装丁について打ち合わせして印刷製本にかかる。

  21日(日)斗南病院に入院中の岩沢さん(「八軒物語・すえ語り」原作者)
  のところへ、録音機材を持って出かけ、27日(土)の「かりんずたいむ」に
  組み込む「岩沢健蔵の八軒散歩」コメントを録音してきた。
  鼻に酸素吸入の管をつけていたが、思いのほか元気だった。
  病室の窓から見える道庁の桜がきれいだった。

  20日(土)八軒地区センターの第1回ハートフェスタで、
  いなむら一志さんに「HACHIKEN SONG」を歌っていただいた。
  「八軒物語2003」で製作したゴスペル風テーマソング。
  作曲・創唱の横尾美穂さんグループが現在活動停止とのことで
  遠い昔にちょっとだけ知り合いだったいなむらさんに
  ずうずうしくも「歌っていただけませんか」とお願いした。
  息子・大(はじめ)さんとの親子デュオで、
  シンプルに、英語のサビを日本語にアレンジして、歌ってくれた。
  当日は、稲村デュオの5枚目のミニアルバムCD発売当日で
  アルバム収録の「イマジン」など4曲を歌っていただいた。
  
  19日(金)夕方、思い立って藻岩山麓の伏見稲荷神社へ
  お札をもらいに出かけた。
  郡司正勝先生が「芸能の小屋ははなぜかお稲荷さんを奉っている」と
  言ってらしたので、わが「赤い実神社」にも、と思いながら
  ずっと、おつかいの狐たちしか居ないのが気になっていた。
  「どこからいらした?」とくり返すおばあちゃんしかいなくて
  社務所には鍵がかかっていて、窮地におちいったが
  境内工事のおじさん達の協力で、担当者が帰還。
  まんまと、じゃなく、無事、お札をいただいてまいりました。
  よかった、これでレッドベリースタジオは安泰です。(けっこう本気)
  
  同19日夜、コンカリーニョで、街角オペラ「椿姫」を見た(聞いた?)。
  1,000円は安い。オペラって、ふつうに、下世話に楽しんでかまわないんだ、
  と感じさせたのは、なかなか立派。
  私の大好きな「スロバキアオペラ」に迫ることが出来るかな?
  こういうシンプルな構成のオペラには、日本人なりの感性が
  生きるような気がする。
  
  17日(水)夜、札幌学院大学コミュニティカレッジ第1回。
  20代から70代の社会人25名ほどが受講。  
  話の内容は、大学で学生に話すこととそれほど変わりないと思うのだが
  受講者の反応が全く違う。
  反応がある。話が伝わっている手ごたえ。うれしい。
  
  第2週週末の12日と14日、新しいピアノを使うはじめてのコンサート開催。
  12日(金)19:00から、林純子さん、Riekoさんの歌、上野順子さんのピアノ伴奏。
  クラシック、シャンソン、映画音楽、タンゴ等々、ジャンルを越えて
  人生の様々なシーンを歌で切り取って見せてくれた林さんの歌はとってもステキだった。
  14日(日)15:00から、富野悦雄さんのオカリナ、ケーナなどと、上野順子さんのピアノ伴奏。
  上野さんは、お二人の曲のアレンジも担当、今回のふたつのコンサートを
  コーディネートしていただいた。
  また富野さんには自前のPA機材でのオペレート、会場設営など、本当にお世話になった。

  うれしかったのは、近所の方々がみなさん、誘い合わせていらしてくださったことだ。
  音楽の力をあらためて感じた2日間だった(実はセッティングも含め、4日間)。


5月5日(金) 捨てられない

  ごぶさたしました。連休もあと3日。それにしても寒いですね。
  きのうの陽気で花もひらくか、と思われましたが、きょうはまた、小雨、曇天。
  おい、おい、何とかしておくれ。

  さて、いくつかご報告
  1.ピアノがやって来ました!早速のおめみえコンサート。TOPのご案内をご覧ください。
    2日、道新にチラシを折り込んだところ、即座にたくさんのご予約電話。
    之は幸先良し。とはいえ、まだ残席あります。どうぞお誘いあわせの上いらしてください。
  2.本、資料、発行物ストック、その他のための収蔵庫、増築工事ほぼ終了。
  3.上記2.に伴なう整理作業は、今後3ヶ月程度かかる予定。
    この際、廃棄するものも多々あると思うのだけれど、つい2〜3日前も
    ひょっこり出てきた15年前の資料が、実はけっこう貴重なものであることを
    再認識した。捨てないでほしい、と言われた。たしかに、むやみに捨てられない。
        
  最近の私の標語
    だいじなコトだけ。
    だいじなモノだけ。
    (だけどほんとは、ムダなものがだいじ)

  少しだけ見えてきた。何がだいじなのか、何がだいじなムダなのか。


4月20日(木)  節目にきれいなピアノがやってくる

  ほんの小さな増築のつもりだったが、それなりに本格的な工事で
  必要最低限しか、パソコンを使えない。しばらく時間が必要。

  先週から札幌学院大「演劇とアートマネジメント」講義が始まった。
  今年はちょうど教室いっぱいの42人。1年生が多いが、
  2、3、4年生も数人ずつ居て、バランスがいい。
  さて、今年はどんなクラスになるかな、楽しみ。

  「みんなでつくるステージ〜れんしゅうの前に」
  という、教則本風パンフレットが完成、納品になった。
  これは、地域、その他のグループ活動で
  素人が集って、何かステージを作ろうという時に、
  身体をリラックスさせ、集中力を養い、コミュニケーションの基礎となる、
  10個の「準備体操」を集めたもの。
  この10年、コミュニティアートの試みを一緒に続けている
  長谷川聡さん、松崎霜樹さん、それにおととしからうそっぷの会の演出を
  担当している本間盛行さんで話し合いながら編集した。
  中井亜左子さんのイラストも、ほのぼのと楽しい。
  巻末の執筆者対談では、演劇の何が面白いのか、何が大切なのか、
  演劇をコミュニティに役立てることの根本について、率直に話し合っている。
  シンプルでささやかなパンフレットだが、
  試行錯誤してきた「まちの演劇活動」についての私たちの到達点であり、
  今後、同じ目的でシリーズ発行するREDBERRY BOOK第1号である。
  役に立ちます。使ってください。お買い上げください。
  一冊、1,000円。お問い合わせは赤い実企画へ。

  15日、江別ドラマシアターどもWのオープンを祝う会が開かれ、
  地域の人たちや遠来の客など、200人を越えるお祝い客が集まった。
  かつて郵便局だった古いレンガ造りの建物を1,100万円で買い取り、
  内部を、手づくり、一部プロの手を借りて改装。
  劇場、喫茶店、ギャラリー、住居を作った。
  土地は30年契約で借り、月々地代を払うという。
  私と同世代の安念智康さん、優子さん夫妻にとって
  「30年」という時間は、いわば「残された時間の全て」であろう。
  集まった人たちの間にも、同じ思いの人たちが多かったためか
  出立の会なのに、挨拶に立つひとや、知人同士の会話に
  なぜか「死」についての話題が多い。
  誰彼が生きていたらこのオープンをどれほど喜んだか、とか
  最近亡くなったひとのこととか、いずれ来る死についてとか。
  極めつけは、どもさん本人の挨拶。
  「どもX、も絶対やります。老人ホームで、かもしれないし、
  あっちの世界かもしれないけど。みなさん、元気で死にましょう!」
  そんな話をしつつ、若いスタッフが元気で活躍するなか
  みんな、とても幸せそうでした。
  私も同じ気持ちで、ふと30年後のこの場所を想像しました。
  どもWは、石狩川と千歳川の分岐点近く、かつて外輪船が行き交い栄えた
  風のまち、江別旧市街の一角です。この日も、川からの風が吹いていました。

  私自身もいま、ちょっと新しく踏み出そうとしています。
  団塊世代の大量退職は来年から始まります。
  身のまわりに、様々な「節目」が訪れています。

  ヤマハに依頼して中古ピアノを探してもらっていたのだが
  17日、整備を終えた品物を店頭に展示したとのことで、見に出かけた。
  とても美しいピアノで、一目見て大好きになった。
  全体は普通につややかな黒だが、譜面立ての板の両サイドに
  赤みを帯びた飾り板がはめ込まれている。
  契約書にサイン、ピアノに「よろしくね」と挨拶してかえってきた。
  5月はじめにレッドベリーにやってくる。

  そこで早速、コンサート企画決定。
  まず、5月12日に歌とピアノ。14日、オカリナ・フルートとピアノ。
  スケジュール欄をご覧下さい。詳細近日。
  さらに6月第2週週末には、胡弓とピアノのコンサートも決まりました。
  さあ、どんどんいきますよ! 
  
  レッドベリーは30〜40人しか入れない小さな空間ですが
  だからこそ、の企画をお待ちします。
  仲間があつまるサロンコンサート。
  憧れのアーティストを独り占めするゴージャスコンサート。
  企画持ち込み大歓迎。自分が弾きたい、大歓迎。
  レッドベリーのピアノと仲良くしてくださいネ。


4月8日(土) 春よ来い、早く来い。私のところに春よ、来い。

  札幌にすずめが居なくなった、という話が新聞に載って、
  この話題は静かに広がっている。
  確かに、居ない。
  家の前のヒバの樹に鈴なりになって、あんなに賑やかだったのに
  ちょっとした水たまりを見つけて、水浴びする姿がとってもかわいかったのに
  軒先に巣をつくって元気に飛び回っていたのに
  ふっつりと姿を見せない。夜明けのさえずりも聞こえない。
  
  先日、ベランダで死んでいたちょっと大きめの美しい鳥を、庭の隅に葬った。
  見たところ怪我もない。ガラスにぶつかったとか、そんなことかしら。
  いま、外で聞こえている鳴き声は、きっとこの鳥の仲間である。
  鳥たちのまわりで、何が起きているのだろう。なんだか不気味。
  
  来週からちょっと工事をする。
  スタジオに、ずっと懸案だったピアノを入れることにした。
  これは、長年、音楽にあこがれを抱いてきた母からのプレゼントだ。
  アップライトだが、いつもスタジオに置くわけにはいかないので
  収納する場所が必要なこと。
  それと、家の中に本の置き場が足りなくて、2001年4月以来5年間、
  車で10分ほどのところにトランクルームを借りてきたのだけれど
  お金がかかるし、必要なときに必要な本を取り出せないのは本当に困る。
  大学の仕事を続けるには、一定の本は手元に置きたいので
  本を処分することは出来ない。  
  それで、スタジオの裏に、ほんの小さなスペースを増築する。
  現在の私の経済状態からすればずいぶん無謀な出費だが
  環境を整えて、前向きに進もうと思う。

  レッドベリースタジオは、今、がんばらなくちゃ。
  だって、周辺環境がものすごい勢いで動き始めている。
  1.琴似の町が、新聞でも話題になるほどの活況を呈している。
  2.3月3日の本欄にも書いたが、JR琴似駅前に「三角山放送局」の新スタジオがオープン。
    古いレンガの建物を保存した空間は、ライブや催しに格好のスペースだ。
  3.そのすぐ隣には、5月、NPOが運営する「劇空間・コンカリーニョ」がオープンする。
  4.江別では、4月15日「ドラマシアターどもW」がオープンする。
    30年来、生活と演劇を融合させて活動してきた安念夫妻の新しい拠点だ。
  5.建設検討委員として意見を言わせていただいた公共空間「はちけん地区センター」が
    オープンし、指定管理者制度による運営が始まった。
  6.琴似の老舗本屋さん・くすみ書房では、「売れない文庫本フェア」が大当たり。
    ブックカフェ「ソクラテスのカフェ」で朗読会や講演会が盛況。
  7.そして、旧駅裏8号倉庫の運営委員たち(ほとんどが団塊世代)が、停年を間近に控え、
    なにやら動き始めている。
  ざっと挙げてもこのような状況で、敏速に行動を起こす必要がありそう。
  元気を出していきましょう。
  
  そのためにはまず、今編集に取り組んでいる祖父の一代記(タイトルは『十勝植林記』に決めた)を
  きっちり形にしよう。これ、なかなか面白い本になりそうです。5月上旬発行予定。